PAINLOT

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東京浅草ペリカンのロールパン

関西で『74歳のペリカンはパンを売る。』を見る前に伝えたいこと

      2017/11/15


ついに関西で「パンのペリカン」のドキュメンタリー映画『74歳のペリカンはパンを売る。』が封切りされます。東京浅草にあるパンのペリカンは1942年に創業。今は食パンとロールパンのみを販売するお店として、地域の方々を中心に愛されています。その歴史はドキュメンタリーを見て頂くか、最近刊行された『パンのペリカンのはなし』に詳しいので、ここでは省きます。

東京浅草パンのペリカン

東京浅草パンのペリカン

製造するパンは2種類という選択

身の回りにあるパン屋さん、一体いくつのパンを製造しているのでしょうか?一概には言えませんが50種類から200種類くらいだと思います。自家製天然酵母、ブリオッシュ、フランスパンなどのベースとなる生地を5種類〜10種類くらい作り、それを展開していくのです。そうすることで、バリエーション豊かになります。お客さんに飽きられないよう、パン屋さんは今日もアイデアを練り、新商品を考えます(ひとつ言っておくと、僕は種類を沢山作るパン屋さんを否定しているわけではないのです)。

ペリカンは元々、色んなパンを作っていましたが、それを辞めたそうです。この辺りも映画や書物に記載されているので省きます。種類を絞ったことで、客離れは起きるのでしょうか?PAINLOTが知っている限りですが、ペリカンのように種類を減らしたベーカリーを2軒知っています。広島の「ブーランジェリ・ドリアン」、長野の「わざわざ」です。

この2軒、セルフビルドの薪窯で大きなカンパーニュなど、素朴な味わいがするパンを焼いています。ペリカンとパンの種類は違えど、年間を通してほとんど種類に変動はありません。共通するのは生地の美味しさだと思います。それは特別な味わいがするわけでもなく、かと言ってぼんやりとした味わいというわけでもありません。めっちゃウマい!わけでもないのに、記憶に残る味とでも言えばよいのでしょうか。

あえて種類を絞ることによって、効率を手にし、商品の品質を高めていくスタイルです。これはなかなか出来ることではないと思います。

ペリカンのロールパンこそ至高ではなかろうか?

ペリカンは、食パンが注目されがちですが、ロールパンこそ至高ではないかと思います。映画にも登場しますが、成形するシーンは何回見ても美しさがある。シニフィアン・シニフィエの食パン成形シーンを思い出します。こうして出来上がったロールパンは流麗な放物線を描き、手に乗るフィット感も素晴らしいのです。

ペリカンのロールパン。このフィット感よ。

ペリカンのロールパン。このフィット感よ。

雪解けの東京。パンのペリカンへ。

雪解けの東京。パンのペリカンへ。

雪解けの東京。パンのペリカンへ。

雪解けの東京。パンのペリカンへ。

飽きのこない味について。パンとは何か?

ペリカンはウェブサイトでも「飽きのこない毎日食べ続けられる味をお届けいたします」と書いています。無数のパンがある中で、ペリカンのパンを選んでもらうということ。なぜ、ペリカンは圧倒的支持を受けたのか。映画に登場する4代目店主の渡辺陸さん、パン職人の名木広行さんは、各所で語ります。その一つ一つの言葉にヒントが隠されているはず。ペリカンのパンを食べたことがある人も無い人も、パン業界に関わる人にも見て頂きたい映画です。哲学的問いですが「パンとは何か?」をたまには考えてみませんか。

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