オープン直前に火災に巻き込まれた大阪阿倍野ブーランジェリーショーが再建!クラウドファンディング支援リターンのパン製造見学に参加しました
2020/11/16
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新型コロナウイルスの感染拡大によって、緊急事態宣言が出されていた中、大阪阿倍野にある飲食店で火災が発生。隣接するオープン4日前のパン屋さんが被害に遭われ、開業を断念されました。筆者は火事のニュースが出た当日、パン屋さんの店名が「ブーランジェリー・ショー(Boulangerie Show)」ということを知り、お店の公式インスタグラムアカウント(@boulangerie_show)を見ました。開店準備に忙しくされている日々を確認できますが、とても悲しい出来事が起きてしまい、動向が気になっておりました。しばらくすると、クラウドファンディングをスタートすると発表があり、少しでも支えになればと考え、協力させて頂きました。
クラウドファンディング自体は順調に支援が募り、最終的に1,179人から13,084,600円が集まりました(ただ、ベーカリーの開業には2,000万円程度がかかると言われていて、まだまだ足りなかったと思います)。筆者はリターンの一つであった「パン製造見学」に支援させて頂き、11月8日(日)12時半の回に参加しました。その様子や当日に試食させて頂いたパン、オーナーでパン職人の川端正悟さんのお話などをレポートという形で掲載します。憶測を含んでいるため、不正確な部分は多々あるかと思いますが、どのようなパン屋さんなのかをお伝えできればと考え、記事にしております。なお、お店は2020年11月13日(金)午前9時、グランドオープンの運びとなりました。
ブーランジェリー・ショーの火災被害やクラウドファンディングなどについて
最初にブーランジェリー・ショーの火災被害やクラウドファンディングなどについては、あべの経済新聞のサイト、クラウドファンディングページが詳しいのでリンクを張っておきます。
- オープン直前に火災被害に遭い全焼!ブーランジェリーショーを復活したい!! – CAMPFIRE
- 阿倍野で開業4日前のベーカリーが延焼 父の夢を娘3人が「諦めない」(2020.05.29) – あべの経済新聞
- 阿倍野・火災被害で出店断念のベーカリー、復活に向けクラウドファンディング(2020.06.03) – あべの経済新聞
- 阿倍野のベーカリー「ブーランジェリーショー」、オープン直前の火災被害から復活(2020.11.11) – あべの経済新聞
ブーランジェリー・ショーへのアクセス方法やお店について
ブーランジェリー・ショーはOsaka Metro谷町線と阪堺電気軌道の「阿倍野駅」から徒歩2分の場所にお店を構えています。天王寺駅や大阪阿部野橋駅から徒歩10分なので、大阪環状線、近鉄南大阪線、阪和線、関西本線、御堂筋線などを利用される方にもアクセス良好です。
お店の規模感ですが、家族経営や個人経営のリテイルベーカリーの中では面積が2倍から3倍程度(個人の見解です)あり、かなり大きな方かと思います。お店の方によると、被害に遭われた店舗よりも大きいそうです(探していた面積のお店が見つからなかったことも関係しているとのことです)。イートインはなく、テイクアウトのみとなりますが、店内ではコーヒーなどのドリンクも販売されていて、テラス席で食べることもできるとのこと。ただし、オープン時は混雑が予想されるため、落ち着いてからスタートしたいと話されていました。
パン売り場は弓なりになっていて、見渡しやすく、商品も探しやすい設計となっていました。レジはトレイを置くと上に乗っているパンを自動認識する話題のAI型「ベーカリースキャン」です。売り場奥の製造現場は10人〜15人くらいでも仕事ができそうなほどに広く感じられました。
クラウドファンディングのリターン「パン製造見学」レポート
参加者は筆者を含めて6名で、中には香港の方もおられました(国内在住とのこと)。香港ではニュースとして大きく取り上げられたそうで、支援したそうです。話を聞くと、香港の方は困っている人を助けたいと思う方がとても多いそうで、国境を超えて、ブーランジェリー・ショーをサポートしている人たちが何名もいることに感動を覚えました。
この日に試食用として焼き上げられていたのは、塩パン、クロワッサン、クロッカン、モンブランのデニッシュ(パティスリーのケーキのようにエレガントで話題になりそう)、デニッシュ各種(マロン、ダークチェリー、チーズ、柿)、チャバタ(イタリアの切りっぱなしパン)、大山ハムやチーズを使用したサンドイッチ、ツナやチーズなどの惣菜パンでした。
参加者は製造現場でカレーパンのフィリングを実際に生地に包み、成形の体験をしました。また、チャバタ用で多加水冷蔵長時間発酵生地をシェフが成形するところも見ることができました。シェフ曰く、最近のお客さんは高加水の生地を使ったパンを好む傾向があると仰っていました。これは納得で、国産小麦は吸水率が良いものが増えてきていて、食感も炊いたご飯のような、モチモチ感、みずみずしさが出るので、日本人の食感に合っているのかもしれません。ブーランジェリー・ショーでは外国産と国産小麦を使用しているとのことで、具体的には熊本製粉の北海道産小麦は使っているそうです。国産に関しては良いものがあったら使用していきたいとのことでした。
酵母はバナナから起こしたもの、ライ麦から起こしたフルーティーな香りがするサワー種、さらには扱いが難しいとされるパネトーネ種も管理されていました。パネトーネ種から作るパンや焼き菓子は保湿性に優れ、乳酸菌によってpHも下がるので、日持ちもとても良くなります。願わくばパンドーロやパネトーネなどのイタリア郷土菓子も作ってもらえたら…と筆者の勝手な妄想が膨らんでしまいました。
複数の自家製酵母の組み合わせたパンを作られているようで「酵母はパンの出汁ですからね」と話してくださったのが印象に残りました。この日は無かったのですがバゲット、カンパーニュなどのハード系は特に気になっています。また、今年はオープン直後ということでシュトレン(ドイツをはじめとしたヨーロッパの伝統的な焼き菓子でクリスマスシーズンに作られる)を作る時間がないため、店頭には出さないということですが、来年をじっくりと待ちたいと思います(オーナー曰く「今年はやらないつもりですが、もしかしたらしれっと出しているかもしれません」とのこと)。
それでは、商品の紹介を写真とともに記載します。
クロワッサン
ブーランジェリー・ショーのインスタグラムを見ているとクロワッサン生地(デニッシュ)は特にクオリティが高いように見えていて、このクロワッサンと実際に対面して、それは確かだったのだなと思いました。バターを折り込んだ生地は美しい層となっていて、形からは引き締まった印象を受けました。生地には黒い粒が見えるのですが、これは全粒粉や小麦ふすまを使っているからでしょうか?外はサクサクしていますが、中はギュッとしていて食べごたえがあります。芳醇なバター、そして小麦の香ばしさが印象的でした。
しあわせのアップルパイ
クロワッサン生地ですが、サクサクではなく、ザクザク、もっと強調するならば「ザックザク」です。写真を見て頂ければ一目瞭然で、パイ生地の一枚一枚に厚さがあって、バリバリと噛んでいくことのできるタイプ。シナモンの効いたリンゴが入っていて、生地と果実が食感のリズムを生んでいます。ブーランジェリー・ショーのスペシャリテとのことなので、アップルパイはマストだと思います。
クロッカン
クルミやアーモンド入りのクロワッサン生地にカリカリのキャラメリゼが病みつきになるクロッカン。フランスの郷土菓子であるクイニーアマンが大好きなので、パン屋さんで見かけると、迷わず買ってしまいます。クリスピーな食感と香ばしさが特徴です。食べたことのない方は試していただきたいです。
マロンデニッシュ
クロワッサン生地にマロングラッセ、そして砂糖のアイシングが載ったデニッシュ・ペストリーです。外からだと分からないのですが、カットしてみるとあんこのペーストが入っています。バターとあんこの相性は言うことなしで、アイデアやひと手間が加わった菓子パンです。
プレミアム贅沢生食パン
生クリームを使い、耳まで柔らかで、中はきめ細やかでもっちりしている食パン。その日はトースターで焼かずに食べて、翌日以降は少しリベイク(温め直したり焼き色をつけたり)すると美味しく食べられると思います。ミルキーな甘みがあり、バターをたっぷり塗るのもおすすめです。
焼きカレーパン
牛肉の角切りがゴロッと2つ入ったカレーパンです。香辛料は控えめなので、お子さんでも安心して食べられると思います。揚げずに焼いているタイプなので、油っこさが無く、翌日でも十分に美味しかったです。(成形は私がやったので見栄えはあまり良くないのは申し訳ないです)。
ブーランジェリー・ショー、ついにグランドオープンへ!
ブーランジェリー・ショーは2020年11月13日(金)午前9時、念願のグランドオープンを果たしました。TVやネットニュースなどで、大きく取り上げられていることから、オープンから1ヶ月程度は大変混雑すると思います。来店を検討される方は正午くらいまでに行くことをおすすめします。オーナー曰く、オープンから暫くの間、種類を絞ってたくさん焼くことを心がけるとのことです。
前述の通り、バゲットやカンパーニュなどは次の機会にぜひ試してみたいところ。また、創作意欲を感じたので、来年以降はパンの種類が増えるかもしれませんね。サワー種のライ麦パンがあったら食べてみたいです。季節によってデニッシュやサンドイッチも変わると思います。ブーランジェリー・ショーの今後に大きな期待を寄せています。
「火災によって再起不能となってしまったところ、皆さんのおかげで再建できた。この阿倍野で奇跡を起こしたい」
オーナーの力強い言葉が心に響きました。応援しています。