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パンの水先案内人。ベーカリーニュース、おいしいパン屋さんの取材記事、マルシェなどのイベント情報を掲載。

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京都伊勢丹〈第3回パンフェスティバル〜パンとコーヒーのある暮らし〜〉開催!特設サイトもオープン!

京都伊勢丹〈第3回パンフェスティバル〜パンとコーヒーのある暮らし〜〉開催!特設サイトもオープン!

      2017/05/10

昨年の3月23日〜28日、8月31日〜9月5日に開催されたジェイアール京都伊勢丹〈パンフェスティバル〜パンとコーヒーのある暮らし〜〉は大盛況となり、2017年5月10日(水)〜15日(月)までの6日間の日程で第3回目が決定。40以上のブランドが集まるが、前回に続いてPAINLOTは特設サイトにて「BEST8」のパンレビューを寄稿している。その辺りを含めて、この記事では催事の魅力に迫ろうと思う。

京都伊勢丹〈パンフェスティバル~パンとコーヒーのある暮らし~〉の歩み

さて、本題に入る前にこれまでの歩みを振り返ってみよう。京都市内でのパンフェスであるが、規模が大きいものはほとんど存在しなかった。一人あたりのパン消費率が全国的に見ても極めて高い京都市でパンの催事が行われてこなかったということは、かなり意外だ。

そんななか、ジェイアール京都伊勢丹は2016年3月23日〜28日に〈パンフェスティバル~パンとコーヒーのある暮らし~〉を開催した。

PAINLOTでは2つの記事を書いたが、反響は大きいものだった。初日に関西圏のTV情報番組『ちちんぷいぷい』で取り上げられたこともあり、2日目からアール・ドゥ・パンに大行列ができ、本格的なハード系パンを買い求める人たちでいっぱいになった光景は忘れられない(初日は並ばずに買えたので少し不安になっていたのだ)。

ウニール、丸山珈琲などのスペシャルティコーヒーも楽しめるということで、パンとのペアリングを色々と試した人も多かったのではないだろうか。20ブランドが集まり、盛況の中で幕を閉じた。

第2回目は初回の成功を受けて、期間を置かずに8月31日〜9月5日に催された。夏の暑い時期はパンが売れにくいとされるが、初回以上の盛況ぶりで、出店数も30ブランド以上と、さらにバリエーション豊かなラインナップとなった。

第2回目は「パンロット山田氏が選ぶ BEST8」という記事を特設サイトに寄稿し、パンの水先案内人として協力した。京都清水五条の津乃吉(野菜じゃむ)、滋賀県蒲生郡竜王町の湖華舞(チーズ)を紹介できたことが特に嬉しく、パンを豊かにしてくれるお供として買ってくださった人たちを会場で多く見かけた。第2回パンフェスティバルの特設サイトはまだ観ることだできるので、下記をチェック。

第3回ではパンとコーヒーはもちろん、京都のサンドイッチにも注目

そして第3回目の開催であるが、大きなトピックを挙げてみよう。前回、コーヒーブースがやや縮小してしまったが、今回は「パンとコーヒー」をより楽しめる内容になっている。ウニール×ル・プチメックのイートインは限定数なので、狙っている人は早めに行きたいところ。京都で人気のサーカスコーヒーは、あえてテイスティングを出さず、焙煎豆へのこだわりを感じさせる。

コーヒーと言えばサンドイッチ。ゆうきぱん、西山こっぺ堂は最近注目のコッペパン専門店で、毎日販売。サンドイッチ王子、ABなど京都に新しく出来たサンドイッチ店にも注目したい。そしてPaul、ブーランジュリーオペラがその場で作る限定サンド。一足先に試食したが、その模様は特設サイトに掲載しているので、ぜひ読んで頂きたく思う。

JR京都伊勢丹 第3回パンフェスティバルの出展者一覧

JR京都伊勢丹 第3回パンフェスティバルの出展者一覧

初回から参加しているベーカリーに加え、新登場のお店にも注目。大阪・神戸・和歌山からは日替わりでブーランジェリー・レコルト、ブーランジェリー・フリアンド、Bread market やさしい風、メゾン・フルリール、ビアンヴニュ、ブーランジェリー・フクシマが出店。実力・人気共に関西屈指で、主にハード系をメインとした品揃えだが、ソフトなパンが好きな人向け商品も用意してくれるだろう。大阪方面になかなか行く機会がない人は、ぜひブースへ寄って欲しいところ。

京都府ではチップルソン、ブーランジェリー・ヤマザキ、ベッカライ・ペルケオ、ブーランジェ・ジュリコのお店、パティスリー・タツヒトサトイ、ベーカリー・オーディナリー・デイなどが初登場。京都伊勢丹は新進気鋭のお店までしっかりフォローしているのもポイント高し。

日替わり食パンも前回と大きく入れ替わった。宝塚市民のソウルフード的食パンのパンネル、前回はデニッシュ食パンが2時間で完売してしまったパン屋のグロワール、長野のティンカーベルらが出品する。

JR京都伊勢丹 第3回パンフェスティバルの日替わり出展者一覧

JR京都伊勢丹 第3回パンフェスティバルの日替わり出展者一覧

フルラインナップやPAINLOTが選ぶBEST8などは、特設サイトで確認してほしい。この下からは、さらにピックアップをしていこうと思う。商品が並ばなかったり、完売してしまう可能性もあるので、そのあたりはご了承願いたいが、催事の参考にしてほしいと思う。

京都のウニール×ル・プチメックのパンとスペシャルティコーヒーをイートインで味わう

2016年1月21日、ウニールは本店を移転オープンさせた。全ての豆をローリングスマートロースターで焙煎し、カッピングや品質管理体制をさらに整えることで、理想の味に近づいた。それを体現するのはバリスタである。本店の施設にはトレーニングルームを併設し、腕に磨きをかけている。結果、今年2月に東京ビッグサイトにて催されたJCIGSC(ジャパンコーヒーイングッドスピリッツ)2017決勝大会では、内部利夫バリスタが準優勝を飾った。昨年はそのほかにも、東京赤坂に店舗を構えるなど、精力的な展開を試みている。

ル・プチメックは一昨年にウェブサイトを革新してから、ユニークな発信を続けている。編集者、グラフィックデザイナー、カフェ店主、小説家などがコラムを書き、代表取締役の西山逸成さんも文章を綴っている。その西山さんはパンラボ池田浩明さんとの著書『空想サンドウィッチュリー』という(一応)レシピ本を発刊したり、週休3日制を実現しようとしたりと、型にはまらない動きを見せた。

ジェイアール京都伊勢丹の京都パンフェスティバルには「パンとコーヒーのある暮らし」という副題が付いている。会場では2店によるパンとコーヒーのスペシャルセットをイートインにて提供。京都の中でも革新的とも言える動きをみせる2軒のコラボレーション。かなり貴重な機会なので、じっくり味わうべし。

京都四条烏丸にあるル・プチメック オマケ

京都四条烏丸にあるル・プチメック オマケ

【東京自由が丘】ジュノエスクベーグルは季節限定フレーバーを販売

茹でなきゃただのパン、茹でてから焼いたらベーグルに。この違いが食感に大きな違いを生む。ベーグルはユダヤ人やユダヤ系の移民がよく食べていたとされる。輪っかのような見た目は、湯で時間を短縮する意味もあるらしい。そして油脂を使わないからべたつかない。その利点を活かし、砂漠を渡るときにポケットにそのまま突っ込んだとか(注・これは自分の妄想)。

とは言え、むっちりキュートな見た目は誰からも愛される存在なわけで、嫌いな人はほとんどいないでしょう。水平に包丁を入れてから、スモークサーモン、クリームチーズ、シナモンレーズンなどをトッピングして、ベーグルサンドを作るのも醍醐味だ。スパイスを入れてあげると、ちょっぴりオリエンタルな香りがする。

ジュノエスクベーグルの「甘夏マーマレード」は、季節限定のフレーバー。大きめの果肉が入っていて、爽やかな甘酸っぱさが口の中を軽快に駆ける。5月の心地よい天候にぴったりだ。そうそう、ゴールデンウィークが終わった5月の京都って、観光客も比較的に少ないし、新緑がとても美しいので、なかなか魅力的だと思う。ベーグルをポケットに突っ込んで、京都探索もよいのではないだろうか。

東京自由が丘ジュノエスクベーグルの「甘夏マーマレード」

東京自由が丘ジュノエスクベーグルの「甘夏マーマレード」

【京都市北区】雨の日も風の日も(毎日正午〜)

京都市北区北大路のパン屋さん「雨の日も風の日も」。PAINLOTのイベントによく協力して頂いているので、皆さんにはお馴染みの店かもしれない。パン生地の美味しさ、製パンにおけるアイデア、そして職人気質。店主の小島秀文さんは本当に情熱的なパン職人で、美味しさの向こう側を意識しているのだ。今、小島秀文さんは一人でパンを作っている。「果たして一人でどこまで出来るのか?」という、パン職人としての問い。その答えはパンに伝わる。つまり、作り手の意識が100%、ダイレクトに直結する。生産性を捨ててまで、原点に立ち戻り、美味しさの追求を考えているのだ。

雨の日も風の日も「くるくるセイバリー」。第20回全日本カリフォルニアくるみ製菓製パンコンテストにてグランプリを受賞した小島秀文さんの代表的なパン。パキパキでクリスピーな食感に驚く。そしてチーズ、クルミ、ベーコンのコクが、ミルキーなベシャメルソース折込生地に交錯。ほのかに香るローズマリー。歩きながら食べると、立ち止まってしまうほどに美味しい。

京都市北区 雨の日も風の日も「くるくるセイバリー」

京都市北区 雨の日も風の日も「くるくるセイバリー」

【和歌山紀の川市桃山町】メゾンフルリール(13日)

和歌山のハード系と言えば、メゾンフルリールが思いつく。2017年でオープンから12年を迎え、近年では百貨店からマルシェまで催事にもたくさん出ているため、関西のパン好きたちが目にする機会も多くなった。シェフの西俊英さんは自由が丘のルノートル、神戸屋レストラン駒沢店、ブラッセリー&ブーランジェリー・ブルディガラ二子玉川など東京にて製パン・焼き菓子と料理の修行したのち、紀の川市桃山町にブーランジェリー・フルリールをオープン。2015年に改装し「メゾン・フルリール」としてリスタート。店内にはバゲットやカンパーニュなどの食事パン、地場フルーツを使ったデニッシュ、自家製ジャムなどが並ぶ。

メゾンフルリールの「ガトー」。風味高いライ麦生地にオレンジピール、いちじくが爽やかに酸と甘みを演出。チョコレートのコクが贅沢に余韻を残す。トーストすると更に香り高い。

【和歌山紀の川市桃山町】メゾンフルリールの「ガトー」

【和歌山紀の川市桃山町】メゾンフルリールの「ガトー」

【京都市百万遍】パティスリー タツヒトサトイ(15日)

デフェールやスイーツガーデンユウジアジキで修行した里井達人シェフ。ユウジアジキのDNAは京都でも引き継がれ、美しく繊細なケーキをイートインでも楽しむことができる。その里井達人さんはパティシエならではの一手間かけたパンを焼く。ロールケーキなどを作る傍らで天然酵母まで焼成するというから驚きだ。ビストロの経験もあるシェフならではのサンドイッチも外せない。

パティスリー タツヒトサトイ「カフェ サンライズ」。外はサクサク、中はフワフワそのままに、メロンパンがコーヒー味をまとって進化を遂げた。粒砂糖が食感のアクセントに、そしてコーヒーの苦みやコクを円やかに。口の中で味の変化を楽しめる。もちろん、コーヒーやエスプレッソとの相性は抜群だ。

京都市百万遍 パティスリー タツヒトサトイの「カフェ サンライズ」

京都市百万遍 パティスリー タツヒトサトイの「カフェ サンライズ」

【京都西山天王山】西山こっぺ堂

西山天王山駅前に彗星の如く登場したのが西山こっぺ堂だ。今、コッペパン専門店は増えているが、このお店も注文を受けてから具材をパンにサンドするライブパフォーマンスを披露してくれる。私たちがイメージするコッペパンとは安くてふわふわ、そして甘め。食材も当然安価なのだが、西山こっぺ堂は驚くべきことに、無添加をやってのける。マーガリンではなくバターを使っているし、おかずも手づくりだそう。しかも30種類以上のメニューを用意しているので、ついつい買ってしまう。

京都西山天王山の西山こっぺ堂「だし巻きたまご」

京都西山天王山の西山こっぺ堂「だし巻きたまご」

西山こっぺ堂「だし巻きたまご」。京都のたまごサンドはやはり出汁巻きだった。なんと出し巻き卵まで手づくりという力の入れよう。程よく柔らかい出し巻きたまごにマヨネーズが塗られ、それを甘味あるフワフワのこっぺぱんが包み込む。言わば出し巻き卵のふわふわお布団なのだ。ボリューム感もあるので、パン男子にも勧めたい。

【神戸御影】ブーランジェリー・ビアンヴニュ(14日)

神戸御影の人気店「ブーランジェリー・ビアンヴニュ(bienvenue)」が京都伊勢丹パンフェスティバルに初参加。実は大下尚志シェフ、京都出身である(北野天満宮辺りをウロウロしていると分かる人には分かる)。ビゴの店、神戸北野ホテル、イグレックプリュス、モンシュシュなどで経験を積み、2012年8月7日に御影本店、2016年1月15日に六甲コフレ店をオープン。フランスパンを中心に、誰でも美味しく寄り添ってくれるパン作りを心がける。スペシャリテはクグロフ。パンフェスで見かけたら、ぜひ買い求めたい。

神戸御影ビアンヴニュ(bienvenue)のバゲットH

神戸御影ビアンヴニュ(bienvenue)のバゲットH

ビアンヴニュ「バゲットH」。低温長時間発酵で小麦の旨みを十分に引き出している。大きな気泡、美しいクラム。鋭利な先端部分に行けば行くほど、苦みが増すが、これがおいしい。香りや味わいが力強くなっていくからである。このバゲットは幅が広いので、サンドイッチにも向いている。京都に縁ある神戸のパン職人が焼き上げるバゲット、親近感があって、とてもよい。

【兵庫県宝塚市】パンネル(10日14時〜)

宝塚出身で東京在住の人に唐突に聞いてみた。「子どものときに食べていた食パンは?」と。そうしたらやっぱり「パンネル」と答えてくれた。宝塚市の人たちにとっては模範解答そのもので、体に染み込んでいる食パン。それがパンネルなのだ。週末になると宝塚総本店一麦館は地元民でごった返し、明日の食パンを求めて大行列ができる。山食を持った可愛らしい女の子のイラストに子どもたちはときめき、幼心にパンネルの食パンをしっかりと刻み込むのである。

兵庫県宝塚市にある食パンのパンネル

兵庫県宝塚市にある食パンのパンネル

宝塚市パンネルの山食

宝塚市パンネルの山食

兵庫県宝塚市パンネルの山食。モッチリ感は残しつつ、山食らしさのある、さっくりとした食感。ほんのりと甘く、飽きのこない味に仕上げている。昔ながらのノスタルジックな食パンだ。

【兵庫県大開】ブーランジェリー・レコルト(10日)

人伝いに胸が熱くなる話を聞いた。パン屋さんのシェフと、アルバイトの人たちのモチベーションは大きく異なるのが普通だろう。一方は命をかけて作っているし、生活もかかっている。後戻りをするのにも大きな勇気と決断、そして大金が必要になる。アルバイトはいつでも辞めることができるし、責任を負う必要も少ないだろう。だからシェフが作ったパンも特段好きでなくても構わないし、売れ残ったパンを買うことも少ない。むしろタダで貰えるものという意識が働いてしまうのではないだろうか。レコルトのスタッフはあるとき「シェフが一生懸命作ったパンだから私たちも買おう」とみんなに言ったらしい。これには驚いたし、レコルトのシェフである松尾裕生さんが、どんな思いでパン作りをしているかを理解できる言葉ではないだろうか。

ブログにはこう書いていった。「神戸のパン屋、ブーランジェリーレコルトと申します。 美味しいパンを作るため、食べるために毎日追いかけています。 レコルトの一番のファンが私であるようなパン屋を目指します。」と。

神戸ブーランジェリー・レコルトの角食パン「ゆたかなみのり」

神戸ブーランジェリー・レコルトの角食パン「ゆたかなみのり」

神戸ブーランジェリー・レコルトの角食パン「ゆたかなみのり」。北海道産小麦「はるゆたか」100%で作った角食。きめ細かく、しっとりとした口どけで、小麦の旨みと甘みがゆらゆらと持続する。皮の部分は香ばしくて艷やかでもある。これをフルーツサンドにしてやると格別だ。

レビューは京都伊勢丹の第3回パンフェスティバル開催日まで更新予定

上記にアップした商品は販売されない場合もあるので注意が必要。あくまで参考程度に考えてほしい。パンフェスティバルがスタートするまでの期間、少しずつ更新していく予定だ。催事が始まるまで、予習をしっかりしていこう。パンフェスの詳細は特設サイトをチェックしてほしい。

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