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ココウェルのココナッツオイルでレーズン酵母の豆乳ドーナツを揚げる

ココナッツオイルで揚げるパンのような豆乳ドーナツ!飛び出すパン屋さん「七穀ベーカリーのドーナツ工場 in 食堂souffle」レポート

      2015/08/24

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今年は特に気温が高く、連日35度以上の猛暑日が続く。湿度も高い盆地の夏……、京都円町の食堂souffle(スーフル)に大阪香里園の飛び出すパン屋さん「七穀ベーカリー」がやってきた(ヤァヤァヤァ)!この日はココナッツオイルで揚げる、豆乳ドーナツ工場とパンの販売だ。その模様を少しばかりお届けしよう。

大阪香里園にある七穀ベーカリーは自家製酵母パンやベーグルが人気

七穀ベーカリーは大阪香里園に実店舗を構え、安心・安全素材の自家製酵母パンやベーグルを中心に揃えている。ショートニング・卵・乳製品は不使用で、アレルギーやヴィーガンの人にも配慮。素朴だが滋味深いパンは、心斎橋MoeJoeや四ツ橋の欧風食堂ミリバールほかのレストランやカフェにも卸していたり、また、「飛び出すパン屋」として全国各地のマルシェやイベントなどにも出張している。

ココナッツオイルで揚げるドーナツは酸化しにくく、美味しさが保たれる

2015年7月29日12時から17時、この日は京都西ノ京円町の食堂スーフルで揚げたてドーナツ工場をオープン。お店に到着すると、スーフル店主の田中さんもいて、一緒に豆乳ドーナツを早速オーダーした。注文が入ると、七穀ベーカリーの山本洋代さんはテキパキと準備に取り掛かる。この日、油はココウェルのココナッツオイルを使用。なぜこのオイルを使うのか尋ねると、グレープシードオイルだと揚げたてのドーナツは時間が経過すると変色してしまい、緑っぽくなってしまうのだという。見た目も味も劣化してしまうらしい。ココナッツオイルは酸化しにくく、翌日以降もドーナツの美味しさが保たれるから、いいとこ取りの油というわけだ。

ココウェルのココナッツオイルでレーズン酵母の豆乳ドーナツを揚げる

ココウェルのココナッツオイルでレーズン酵母の豆乳ドーナツを揚げる

きび砂糖や黒ゴマ&きな粉の自家製レーズン酵母豆乳ベーグル

からりと揚がった豆乳ドーナツ。「きび砂糖」「きび砂糖のシナモンシュガー」「有機黒すりごま&白大豆きなこ」の三種類から、好きなものを選ぶ。筆者は「有機黒すりごま&白大豆きなこ」を選んだ。黒胡麻&きなこの海にドーナツが飛び込み、お箸でくるくるとまぶしてくれる山本さん。熱々のドーナツはたちまち粉化粧をして、七穀ベーカリー特製の紙袋に入れられる。

豆乳ドーナツのトッピングは「きび砂糖」「きび砂糖のシナモンシュガー」「有機黒すりごま&白大豆きなこ」の三種類

豆乳ドーナツのトッピングは「きび砂糖」「きび砂糖のシナモンシュガー」「有機黒すりごま&白大豆きなこ」の三種類

揚げたて豆乳ドーナツに黒胡麻きな粉をまぶす山本さん

揚げたて豆乳ドーナツに黒胡麻きな粉をまぶす山本さん

上皿さお秤のイラスト付き。七穀ベーカリーのドーナツ袋

上皿さお秤のイラスト付き。七穀ベーカリーのドーナツ袋

どっしりと重みがあって、パンのようなドーナツはちょっと酸っぱい

出来上がった豆乳ドーナツ。どっしりと重みがあって、揚げたての温度が手に伝わってくる。早速頬張ると、くろごまときな粉の風味が口いっぱいに広がっていく。そしてヒキの強い噛みごたえは、ドーナツというよりもパンに近い。「うちのはパンっぽいんですよね」と山本さん。なるほど、カリカリした皮の部分と、モチモチ・ムギュムギュ感たっぷりの中身から、それを感じ取ることができる。そしてじわじわと酸味が押し寄せてくる。「自家製のレーズン酵母で発酵させています」と話してくれた。天然酵母でドーナツを作るところはいくつか知っているが、しっかりとした酸味を出すお店は初めての体験だった。もしかすると、ドーナツに酸味は不必要だと思う人もいるかもしれないが、フルーティーでフレッシュな酸っぱさは、レーズン酵母の香りと相まって嫌味はない。最後にミルキーな味わいが喉奥に余韻を残し、甘い香りが口から喉へと伝わり、鼻孔に立ち昇ってくる。

ココナッツオイルで揚げた七穀ベーカリーの豆乳ドーナツ「有機黒すりごま&白大豆きなこ」

ココナッツオイルで揚げた七穀ベーカリーの豆乳ドーナツ「有機黒すりごま&白大豆きなこ」

ココナッツオイルとレーズン酵母の力で翌日もおいしい豆乳ドーナツ

次の日に温め直して食べてみたが、油っこいドーナツということはなく、フレッシュさは持続していた。酸っぱさは少し円やかになっていたように感じ、これは自家製酵母特有なのだろうと思った。まわりのきな粉はしっとりしてしまうが、購入日から1日経過してもとても美味しい。七穀ベーカリーは豆乳ドーナツの通販も行っているが、購入を検討している場合は、筆者の意見も参考にしてほしい。

レーズン酵母でパンのようにムギュムギュした歯ごたえを楽しめる

レーズン酵母でパンのようにムギュムギュした歯ごたえを楽しめる

翌日は少ししっとりしているが、油っこさはない。

翌日は少ししっとりしているが、油っこさはない。

七穀ベーカリーのドーナツ工場ではパンも購入できる

ドーナツ工場の片隅では山本さんのお義母さんがパンを販売。七穀マフィン、キャロブの黒マフィン、ごろごろいちじくパン、ウインナーロール、国産はちみつベーグル、味噌チーズベーグル、バタール、サイコロ食パン、いよかんサイコロ食パン、ぐるぐる食パン、七穀食パン、ベーコンエピなどが用意されていた。

小さいサイズの食パンや人気のベーグル

小さいサイズの食パンや人気のベーグル

七穀ベーカリーのはちみつベーグルは売り切れ必至

七穀ベーカリーのはちみつベーグルは売り切れ必至

有機キャロブで見た目も楽しい「ぐるぐるサイコロ食パン」

七穀ベーカリーの「ぐるぐるサイコロ食パン」。イタリアシシリー島産の有機キャロブパウダー(いなご豆)をたっぷりと練り込んだパン生地は、ココアっぽい濃い目の茶色で、白のパン生地の中でくるくると巻かれている。コントラストが高く、少し目立ちたがり屋さんの食パンだが、キャロブは鉄分・カルシウム・食物繊維を豊富に含んでいることで知られている。レーズン酵母でみっちりの中身はしっかりとした酸味があって、ドーナツ同様に食べごたえ抜群。チョコレートのようでいて、麦のような風味を持つキャロブの存在感は、開封した瞬間にも喉を通り抜けるときにも体験できる。そのまま食べても、ジャムやバターを塗ってもおいしい。

こんがりと焼けた七穀ベーカリーの「ぐるぐるサイコロ食パン」

こんがりと焼けた七穀ベーカリーの「ぐるぐるサイコロ食パン」

七穀ベーカリーの「ぐるぐるサイコロ食パン」の断面

七穀ベーカリーの「ぐるぐるサイコロ食パン」の断面

やっぱりドーナツはアツアツの揚げたてが美味しい!

この夏も色んな場所に飛び出す七穀ベーカリー。次回のドーナツ工場も決定していて、場所は同じく食堂souffle。日時は8月27日の木曜日だ。人気のベーグルは早めに売り切れが予想されるので、予約などの相談をしてみるのもいいかもしれない。持ち帰ることもできるが、兎にも角にも揚げたてのドーナツは最高においしい。

食堂スーフルはケータリングをメインに営業。レンタルカフェもやっている

田中沙由理さんが店主を務める食堂スーフルは、京都駅からバスで約25分、JR円町駅から徒歩3分のところにある小さな食堂。田中さんが作るご飯や飲みものからは、作り手の気持ちがしっかりと伝わってくる。野菜や珈琲豆は身近なところから手に入れて、丹精込められた料理に変わる。忙しい人にこそ、ほっと一息つきに行って欲しい場所だ。ケータリングがメインになり、営業日はより少なくなってしまったが、TwitterやInstagramなどを確認して、ぜひ食堂へ足を運んで欲しい。また、会場のイベント貸しも行っているため、何かアイデアがある場合は、気軽に相談してみてはいかがだろうか(PAINLOTは2014年4月に『PAINLOT × souffle “In The City!! Comparing The Jam!!”』を開催)。レンタルカフェとしても利用できるので、気になる方はぜひチェックを!

京都西ノ京円町の食堂souffle

京都西ノ京円町の食堂souffle

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