【真夏の初日レポ】コンズサイクル蛸薬師店7周年記念企画〈トーキョーバイクで巡る、初夏の京都でパンライド〉
2016/06/28
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2016年4月上旬、二条駅に近い観葉植物のお店「COTOHA」で行われていた後輩のライヴを聴きに行った筆者は、その期間に店頭にて試乗イベントを実施していたトーキョーバイクの方と巡り合うことになる。偶然にもパンが好きという(しかも極めてパン愛が強い)話から、名刺を交換。すると、筆者も山田、トーキョーバイクの方も山田というさらなる偶然(ややこしや案件)が発生。今に至る。
少し端折り過ぎたが、「京都でパンライドを企画しているのでガイドをお願いできませんか?」というメールをゴールデンウィーク中に頂戴した。一応『弱虫ペダル』のアニメ第1期と第2期の全話はチェックしているけれども、折り畳み自転車の身分でガイドは務まるのだろうかという不安がよぎる。だが、自転車で京都のパン屋さんをまわるということを、一度やってみたかったし、何よりも「寄り道したくなる自転車」というトーキョーバイクのコンセプトは、コンパクトなKYOTO CITYとの相性良好。寄り道をしたくなるパンライドを考えることとなった。
「給水」ならぬ「給パン」できるベーカリーを自転車で巡るパンライド!
主宰は京都市内に数店舗を展開する自転車屋さん「コンズサイクル」。四条河原町からも近い蛸薬師店の7周年を記念したイベントである。タイトルは〈トーキョーバイクで巡る、初夏の京都でパンライド〉。トーキョーバイクに試乗してパンを楽しみたい人、そして愛用者が参加できる。マラソンなどでよく見る「給水」ならぬ「給パン」を行く先々のパン屋さんで取りつつ、ゆっくりと京都市内をまわることを目的とする。
コンズサイクルはロードバイクやクロスバイクを使った本格的なライドも実施しているが、パティスリーやパン屋さんなどをまわるライドも行っていて、〈トーキョーバイクで巡る、初夏の京都でパンライド〉は、普段あまり自転車に乗らない人も参加できるのが大きな特徴だ。
鴨川や左京区ではなく、右京区でパンライド!
パンライドの道順を考えるにあたって、パン屋さんが多く、京都のサブカルチャー・ゾーンである左京区側(鴨川沿い)は、王道過ぎるかなと思ったので、今回は見送ることに決めた。対して右京区側は近年、おいしいベーカリーがたくさん生まれているし、ユニークな雑貨店やカフェなども増えてきている。ということで、コンズサイクル蛸薬師店を出発〜二条駅〜円町〜鷹峯〜北大路辺りから京都御所を下って蛸薬師店に戻る、約18kmのコースを考えた。
初夏どころか真夏のパンライドの予感!
募集開始が遅くなったこともあって、お客さんがなかなか集まらず、焦りもあったがイベント前々日にはトーキョーバイク試乗分は埋まり、土曜日は最終的に12名ほどが参加することとなった。前日にトーキョーバイクの山田さんと塚崎さんが京都入りし、コンズサイクル蛸薬師店で打ち合わせ。お店の林店長、パンライドを担当してくれる井澤さんらと顔合わせをし、道順の最終確認をする。2016年6月18日(土)、ギラギラと照りつける朝日は真夏の合図だった。予想最高気温は34度と、今年一番の暑さ。「初夏」どころか「真夏のパンライド」だ。
パンライドでは「TOKYOBIKE 26」「TOKYOBIKE SPORT9s」を無料レンタルできる
9時にコンズサイクル蛸薬師店に着き、レンタル分のトーキョーバイクを用意。9時半に参加の皆さんが全員揃う。遅刻者ゼロという完璧具合で、コンズサイクル常盤店勤務でライド担当の佐古さんらと共に、身長にあった自転車を見極める。今回は「TOKYOBIKE 26」「TOKYOBIKE SPORT9s」などのスポーツバイクが用意された。マウンテンバイクに乗ったことがない人でも、気負うこと無く乗れるようなモデルで、心地よい風を感じながら、軽やかに走ることができる。
パンライドでは自転車マナーをしっかりと守って、安全走行を心がけます
試乗モデルを選択し終えた一同は、パンライドを楽しむためのマナーをコンズサイクルスタッフに教えて頂いた。例えば、「車道の左側を走る」「自転車同士で平行しない」「段差があるときはタイヤの入り方に注意する」「車間距離を空ける」「信号変化時の無理な走行は禁物」など。10名以上のライドは、縦に長くなりがちだ。互いに気を配りながら、安全に走行しなければならない。ひとりひとりがスタッフの声に耳を傾け、理解したところで〈トーキョーバイクで巡る、初夏の京都でパンライド〉が始まった。
パンライド1店目は全粒粉の風味高さが魅力的な「パンスケープ二条駅前店」へ
筆者は先頭のコンズサイクル佐古さんの後ろに着き、信号待ちのときに道を確かめ合いながら、ガイドを担った。向かう先は「パンスケープ二条駅前店」。三条会商店街を通過するのは、買い物通行中の方に迷惑がかかるとのことで、二条城の横道を走ることに決める。筆者の持っている折り畳み自転車は一応6段変速付きだが、久しぶりに乗るスポーツバイクの変速はそれとは別物で、人差し指と親指で「カチッ」と切り替える瞬間が爽快。そしてタイヤが大きい分、ケイデンス(弱虫ペダルで覚えた自転車用語)は上げなくても大丈夫。とても軽いのだ。コンズサイクル蛸薬師店を出発して約10分、10時半に記念すべき第1店目「パンスケープ二条駅前店」へ到着した。
車道側の歩道とお店側に丁寧に自転車を止め、PAINLOTがパン屋さんの説明をしてから、約3人ずつ店内に入る。パンスケープは小麦を殻ごと製粉する「挽きたて全粒粉」を使ったパン作りが特徴で、大変風味高い食事パンが多い。生地の柔らかいサンドイッチやクロワッサンなどのヴィエノワズリーもあって、ハード系が苦手な人でもおいしいパンがきっと見つかる。これから5店くらいまわるというのに、バゲットなど大きなパンを買う人、たくさん買い込む人が続出。美味しそうな見た目と香りに誘われたら、勝ち目はゼロだということを痛感した。
PAINLOTは「全粒粉の食パン」を購入。小麦を丸ごと挽いているため、白い小麦粉(強力粉)よりグルテンが形成されず、製パン性は劣るものの、栄養素が高くて粉の香りも強い。このような全粒粉パンは、ボゾボソとしがちで食べにくいのだが、しっとり感が強くて、とても滑らかな口どけである。そしてどっしり感も健在。薄切りでサンドイッチにすると美味しい。
金土のみ営業の自家製天然酵母パン屋さん「落花生」へ!
パンライド一同はパンスケープを出発。西大路御池に向かい、西大路通を北上。西ノ京円町を左折し、天神川沿いの西土居通りを少し上がって、トーキョーバイクを降りて、小路にある「落花生」へ向かった。
佐々木和美店主がパンを作る「落花生」は金土のみの営業で、時間も11時から18時までと短い。このパンライドで二条周辺をまわるのならば、絶対に行きたいお店だった。11時10分に到着し、少しずつ店内に入っていく。筆者も開店時間に伺ったことがなく、種類豊富なパンが一同を待ち受けていた。粟米を生地に練り込み、マッシュポテトを挟み込んだ「粟じゃが」というパンが丁度よく焼き上がり、参加された皆さんは見事に誘惑に負けていったのだった。
落花生店内の瓢箪ランプも見どころのひとつ!
落花生はパンも美味しいが、店内を彩る「瓢箪(ひょうたん)ランプ」も見どころのひとつである。夫のyujinさんが手がけており、幻想的で心地よい光がひょうたんからあふれ出ているのだ。パンライド一同の大行列に驚いた隣家の方が出てきて、大変ご迷惑をお掛けしたのだが、なんと自宅内にある瓢箪ランプを持ちだして下さって、私たちに見せてくれた。気持ちの和むエピソードも生まれ、2軒目を出発した。
PAINLOTは6月限定「チャイベーグル」を購入。紅茶が持つ豊かな香りとほんのり感のある渋み、ミルキーで甘味が優しく、3時のおやつとして食べたい。紅茶、牛乳などとの相性はとてもいい。セミハードな食べ応えで、噛めば噛むほど、生地から旨みがあふれ出てくる。円町の落花生は、通販も実施しているので、気になる人は利用して欲しい。
トーストにはさむ粒あんを買いに。老舗の自家製あんこ屋さん「中村製餡所」へ
続いて向かったのは北野白梅町駅近くにある「中村製餡所」。西大路通を北に向かい、一条通を右折。この一条通は通称「妖怪ストリート」と呼ばれ、お店の先々に妖怪たちが居座っているのだ。製麺所や七味屋さんなどもあって、見ていて飽きない通りである。その中でも中村製餡所はとても有名で、あんこ特集では必ずと言っていいほど登場する。京阪神エルマガジン社『あんこの本 何度でも食べたい』に詳しく書かれているので、ぜひ読んで頂きたい。また、ブルージュ洛北、ブラウニー ブレッド&ベーグルズ、ミルキー(等持院)などが、中村製餡所のあんこを使ったパンを販売しているとのことだ。
中村製餡所四代目の中村吉晴さんに少しお話を聞き、予約していた「粒あん500g」を購入。地方発送も行っているそうで、あんこ好きの人は中村製餡所のサイトを見て欲しい。
緑豊かな北野天満宮で休憩
中村製餡所から近い北野天満宮に向かい、お昼休憩を取る。天暦元年(947年)に創建された北野天満宮は梅と紅葉が美しく、観光シーズンは大変込み合うが、6月は比較的に空いていて、この日はベンチに腰掛けることができた。パンライドで購入した美味しいパンを頬張りながら、参加者同士で打ち解け合った。
パンスケープ×中村製餡所の「スペシャル餡サンド」を作る
そしてメインの「スペシャル餡サンド」を作る。パンスケープの「全粒粉パン」をVICTORINOXのブレッドナイフでスライスし、中村製餡所の粒あんをトッピング。そして4分の1に切り分けて味わった。その場で作るサンドイッチはピクニック感満載で、最高潮を迎えた。しっとり香り高いパン、甘さ控えめの粒あん。外で食べる餡サンドは格別の美味しさだった。
勾配のきつい坂道を登って…鷹ヶ峰の名店「クロア」へ
炎天下だったが、心地良い風が通り抜けていく北野天満宮でランチを済ませたパンライド一同は、本日一番の難所「クロア」へ向かう。一旦、西大路通に出てから北上。平野神社や金閣寺など、観光にはもってこいの大通りであるが、緩やかな坂道が続くため、次第にしんどくなってくる。おまけに30度以上の猛暑が身体にじわじわと響いてくる。
しかし、普段乗っている折り畳み自転車とトーキョーバイクの性能の違いがはっきりと分かってきた。四条烏丸から北野天満宮まで自転車を漕いでくると、いつも疲労困憊になるが、足も全く痛くないし(強いて言えば乗り慣れないサドルの影響でお尻が痛かった)、軽快なギア・チェンジで立ち漕ぎをする必要性も感じられないほど、スムーズに走行できる(暑さだけはどうにもならなかったが)。
五山送り火「左大文字」を見ながら千本北大路を左折。佛教大学紫野キャンパス沿いを通過し、鷹ヶ峰へと入っていく。この道がかなりの勾配で、場合によっては自転車を押して登るプランも考えていた。だが、一人も脱落することなく、13時半すぎにクロアへ到着。さすがに汗も出たが、美味しいパンが待っていることを思うと、登りきろうと言う気持ちになったのである。
筆者は「坂道の上のパン屋は美味い」という仮説を立ている。例えば、奈良市菖蒲池の「Erdal(エアダール)」。駅から徒歩で向かったが、途中で引き返そうと思ったほどヘトヘトになった。だからこそ、疲れた体に染みるパンが最高に美味しくて、登ってよかったと思える瞬間に巡り会えた。この「クロア」も同様。特に夏の坂道は辛い。でも、登ってまで食べたいパンが沢山あるのだ。
クロアはフランスパン、ドイツパン、食パンなどが美味しく、加えて和のパンが魅力。地元の七味やお醤油を使ったハード系がおすすめである。筆者は円形のパン「クーロンヌ」を購入した。石臼挽き小麦粉にブルーチーズとクルミを練り込み、独特のクセとコクが深いフランスパンだ。特にハチミツとの相性が良い。参加者にはカレーパンとクロックムッシュが大好評で、汗を流した甲斐があった。
京都随一のパン職人のお店「雨の日も風の日も」へ
クロアからの下り道は、ダイレクトに風を感じるので、とても涼しく、大変気持ちが良かった。坂道こそ、サイクリングの醍醐味ではなかろうか。パンライドにクロアを選んで正解だったと思う。
ライド一同は今宮通を走り、今宮神社前を右折。今宮門前通から北大路通へと出る。建勲神社前にあるパン屋さん「雨の日も風の日も」へ向かった。14時過ぎに到着し、くるみを使ったパンが美味しいことを参加者へ伝える。特に外側がクリスピーな「くるくるセイバリー」をおすすめしたところ、すぐに売り切れてしまい、参加者の皆さんへ行き渡らなかったことは申し訳なく思う(また行ってみてください)。
店主の小島秀文さんは様々な製パンコンテストで受賞歴のある、京都随一のパン職人だ。アイデア溢れるパンの数々に、ついつい財布の紐が緩みがちになってしまう。この日はボイセンベリージュースとクランベリーを使った「紫野ブレッド」と、第19回全日本カリフォルニアくるみ製菓製パンコンテストで菓子パン部門を受賞した「上弦の月」を購入。特に爽やかな酸味が夏を涼しく感じさせる「紫野ブレッド」を気に入った。
同志社大学の学生にもお馴染み、昔ながらのパン屋さん「マリーフランス今出川店」へ
〈トーキョーバイクで巡る、初夏の京都でパンライド〉初日も残すところ2店となり、佳境を迎えた。北大路通から堀川通を南下。緩やかな下り道のため、ペダルを回さなくてもスイスイと走っていく。堀川今出川から今出川通に入って、烏丸方向へ。14時50分、「マリーフランス今出川店」に到着。歩道が狭いため、コンズサイクルのスタッフが自転車を隙間なく止める。
パンライドでは唯一の昔ながらなパン屋さんで、惣菜パン、菓子パンなどがメイン。特に「小倉あんぱん」は看板商品で、超が付くほどの薄皮に、ボテッと粒あんが入っている。1個で約200gもあって、断面図から重厚感が伝わると思う。京都には進々堂、志津屋、マリーフランスなど地域密着型のパン屋さんがあって、ソフト系が好きな人におすすめだ。
京都の中心でパンを食べる!緑豊かな京都御所で最終休憩
マリーフランス今出川店を出て、烏丸通を南下。緑豊かな京都御所で最後の休憩を取る。京都の中心は四条烏丸か、京都御所かという論争は、パンライド参加者内で起きることもなく、平和な午後三時をゆる〜く過ごすこととなった。ベンチ豊富で静かな京都御所は、パンライド憩いのスポットに決定である。
お酒も揃うベーカリーカフェ「annee(アネ)」へ
そして最終目的地「annee(アネ)」へ移動開始。烏丸通を南下し、姉小路通を左折。16時20分頃、お店へ到着した。ここでもコンズサイクルスタッフがトーキョーバイクを丁寧に止めてくれたので、みんなで写真を撮る。カフェコチの姉妹店「annee(アネ)」は、ベーカリーに重きを置いたカフェ。パン・オ・ショコラ、クロワッサンダマンドなどのヴィエノワズリーが美味しく、パリのカフェ的雰囲気がある。お酒も揃っているので、パンを楽しみながら談義するのもいい。お店のスタッフはパンライド大所帯を温かく迎え入れてくれ、火照った体の熱をアイスコーヒーが冷んやりと下げてくれた。
筆者は明日の餡サンド用に「クリーム食パン」を購入。きめ細やかな生地は耳まで柔らかであるが、ずっしり重い。口どけもとても良く、朝の贅沢トーストにおすすめ。ジャムサンド、フルーツサンドなどにも良く合う、上質でミルキーな角食パンだ。
購入したパンがリュックサックやバッグに入りきらなくなった参加者も出てきたところで、スタート地点のコンズサイクル蛸薬師店に戻る。一日を共にしたトーキョーバイクともここでお別れ。少し立ち話を楽しんだ後、帰路に着いた。
自転車に普段乗らない人も気軽に乗ることができて、坂道も軽快に走行できるトーキョーバイクの魅力を、各々が体験しながらパン屋さんをまわることができた企画だった。少し遠いかなと思ったお店が、実は結構簡単に行けることも分かって頂けた様に思う。こうして真夏のパンライド初日を無事に終えたのだった。一応であるが、道順のリンクを貼っておこう(コピペしてウェブブラウザで開いて下さい)。
- コンズサイクル蛸薬師店〜パンスケープ二条駅前店〜落花生〜中村製餡所まで(7km)
- 中村製餡所〜北野天満宮〜クロア〜雨の日も風の日も〜マリーフランス今出川店〜京都御所〜annee〜コンズサイクル蛸薬師店まで(11.1km)
MBS「おとな会」にてパンライドの模様が放送される予定です
実はパンライド初日にテレビ撮影が密着で入っていたのだ。MBS(毎日放送)の知的好奇心バラエティ「おとな会」という番組で、6月29日(水)の深夜25時49分からの放映で紹介される。「おとななら京都を自転車で楽しもう」というテーマで、創業20年「KON’S CYCLE」成功の秘訣に迫るコーナー内にて、パンライドの模様が映るとのこと。京都市は4人に1人が通勤通学に自転車を利用し、「自転車利用第1位」なのだ。一人あたりのパンとコーヒーの消費量も全国屈指なので、京都でパンライドを行った意味がはっきりと分かるような気もする。放映後に「おとな会」のウェブサイトにて1週間限定無料配信も実施されているので、関西圏以外の人たちにも見て欲しい。
Instagramのハッシュタグ「初夏の京都でパンライド」
写真共有SNSアプリInstagram内でハッシュタグ「初夏の京都でパンライド」というものがあり、参加者の皆さん、トーキョーバイク、コンズサイクルの画像を見ることが可能だ。誰でも当日の雰囲気を楽しむことができる。